患者様のお悩みを聞くことの大切さ=カウンセリングがなぜ重要なのか

人と対面するとき、身だしなみを整えたり口臭をエチケットと考えて歯磨きをしたりする人は多いのですが、エチケットやマナーとしての認識ではなく口臭について悩んでしまう人もいます。何度も歯磨きしたり、ガムを噛んだり、口臭に効くというありとあらゆるいろいろな事をしても、どうしても気になりどうしていいかわからない。

口臭に悩むと、原因は何なのか模索したい気持ちが強くなります。

人と対面するとき、なぜなら目に見えないので不安だし、臭いということはとてもイヤなことでそれを自分が発しているというつらさ、引け目を感じる、自尊心も傷つけられます。

他人に言いたくない、だからこそ、その原因は何か身体に問題があるからだと考えます。

確かに、何かの病気が原因で、それで口臭が起こっているのならそれを直せばいいのですが、それが問題ないと、いろいろ模索してドクターショッピングを繰り返す人もいます。

 

口臭はただ「ニオイがある」という現象ですが、そこに<悩む><気になる>という「症状」を入れてしまうとそれは『口臭症』という病気になります。

なぜなら口臭があって(「ニオイがある」という現象)も、全く気にしていない人もたくさんいるからです。そういう人は、検索もしませんし、病院にもいきません。

 

当院には、多くの方がその「悩んでいる」状態で受診されます。「悩んでいる」から受診しているのですが、「悩む」というのが症状と思っていない方がほとんどです。


基本検査で何も病気がない、それによって口臭が起こっているわけではないと言われると、そ、そ「○○病だから口臭が出ている」という決定打がない、じゃどうして口臭が起こるの?とさらに不安になってきます。

 

口臭症は、「悩んでいる」からといってもただ単純に精神的なトラブルによって起こる精神疾患とは言えず、悩んだ上で感じる「不安な感覚」もそこに伴っていることがあります。そうなると、普通の生理的口臭にも悩んでしまいます。

 

「悩む」という現象が、お口の生理機能を悪化させ、自律神経障害を起こし、誰にでもある生理的口臭も強く出てしまう、そういう状況になります。

 

ただ、息は目に見えないのでどうなっているかいつも不安ですし、普段の生活の中でどうしても「臭い」という言葉が気になってしまいます。

目に見えてわかりやすい「○○病だから」という決定打がないので益々不安にかられ、自分自身に目に見えないプレッシャーを与えてしまいます。


・口臭を気にすると、人前で話すときに口が渇きさらに口臭が悪化する、という悪循環に陥る。

・誰も教えてくれない、悩んでいることも言いづらい、けれど言われたら傷つく。

「悩み」というのは、相手に言わないと伝わらず自分が抱いているものなので、どのような悩みなのか、どういう状態なのか、その人の置かれた環境やいろいろなことが絡み合って起こっているので、抱いている悩みの強さも状態も聞いてみないとわかりません。

 

それによりお口の生理機能が悪化してしまうということになかなか気付くことはありませんし、どう対処していいのかわかりません。では、気にしなければいいのかと言っても、「息」は目に見えないので不安になってしまい、自分でいろいろ模索し、負のスパイラルが起こります。ですが、不安や悩みはメンタルな問題ですので、それを楽にしながら口臭が起こらないようにコントロールすればいいのです。

 

メンタルな問題を楽にしていくのは、まず、その辛い気持ちや悩みの状態をすべて打ち明けていただかなければなりませんし、こちらも親身に受け入れて理解しなければなりません。

そこから口臭治療は始まるのです。


不安を強くしてしまうと自分ではなかなかコントロールが難しいのですが、それは本人の「気づき」がないからです。コントロールするということは簡単なように見えますが、自分のそういう状態に気づかないと自分で自分をコントロールはできませんし、見えないことで悩んでいるので益々焦ります。

患者様の口臭がどういう状態で起こって、どのようになっているのかを具体的に目に見えるようにしてカウンセリングで説明し、理解して気付いてもらうことが不可欠ですし、患者様も納得できないと精神的にも楽にもなりません。それが口臭治療の根幹です。