検査の数字だけですぐに口臭が治ったと判断しない理由

口臭に悩んでいる人は、ほとんどの人が「悩んでいる」という状態が症状の一つだとは思っていません。悩みや不安が強くなると、口の中の不快な感覚や違和感も増すこともあり、それが解決されないと、本人にとって口臭が良くなったという感覚は起こりませんし、治ったという気がしません。本来の口臭治療は、ただ口臭をキレイにするという概念ではなく、その方の「悩んでいる」状態や「口の中の不快な感覚」を改善しつつきれいな息を作るということになります。それに気づかないと、ただ漠然と口臭ガスを測定して、その瞬間の数値を下げても、その後の瞬間から、「悩んでいる」状態や「口の中の不快な感覚」が楽になるかというとそれはまずありえないからです。


ですが、それになかなか気づかないのです。目に見える数値が低くなると、誰でも瞬間安心するからです。でも、その後もいつも測定器を持って歩くわけにもいかず、また、数百種類にも及ぶ口腔内の細菌が発生するガスのどのガスを測定しているのか、測定結果に右往左往しても、その瞬間に測った数値は、またすぐ変わってしまいます。

測定器の数値を下げるのが目標ではなく、普段生活の中でずっときれいな息が保てるようにする。それには、悩んでいた自分の気持ちが楽になり、不安な感覚がなくならなくては、その方の本来の口臭症治療とは言えないのです。悩んでいる限り、社会生活も苦痛になってしまいます。他人と話す時に出る「息」で悩んでいるのですから、会話中常に不安ですし、行動面も消極的になり、コミュニケーションがうまくいかなくなってきます。まずはその方がどういう悩みを持っているのか、どういう環境なのか、悩みの程度も悩みに至った経過もつぶさに聞きます。


その結果起こっている生理機能も変わってくるからです。その状態は一人一人皆違います。身近な人にも言えなかったこと、言いづらいことを打ち明けていただくことから始まりますし、その方にとって心の奥底の不安も感じ取るような治療が必要になります。

ですので、口臭症専門クリニックとしての当院の口臭治療は、悩んでいること、辛かった事を安心した気持ちで打ち明け、メンタルな部分をサポートしつつ本人が抱いている不快な感覚を除去して息をキレイにする、そういう治療になります。